《また、やってしまった》
時折、新聞配達のバイクと
すれ違う以外は、
全く人の気配のない暗い道を
てくてく歩きながら、
藍色の空を見上げると、
薄く押し固められたような雲が、
月明かりに白く透かされて
ぺたりと張り付いておりまして、
《骨切りされたハモみたい》
そんなことを思いながら、
しばらく、
上を向いたまま歩きました。
神風特攻隊の動画を観る度に、
息子たちと置き換えてしまって
ずたぼろに泣いてしまう、
と言うより、
泣くと分かってて泣いて、
その後、
無性に息子の顔が見たくなるんですよね。
居ても立ってもってやつです。
てくてくてくてくてくてく
息子のバイト先のコンビニの前に
辿り着いた時、
出入り口前に、
放り投げられたゴミを見かけました。
「他人のゴミを
捨てることが出来るのが
日本人の凄いところ」
海外の方が動画で言ってたっけ。
うーーーん。
お国のために戦うとか、
わたしは出来ないけど、
日本人の美徳みたいなものがあるなら、
それは守りたいし、
そもそも、
ゴミを捨てたのでなく、
「ぽろっと落とした」のかも知れないし。
《ま、とりあえず》
ぴっとゴミをひとつ、
指で拾ってから、
息を止めました。
《何でだとお?》
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本日の合言葉
「空き箱」