花くちなしの匂ひけり』
正岡子規
クチナシの香りは、
夜に強まると言われます
梅雨どきの夜
ふわりと甘い香りがして
思わず立ち止まる
薄雲りの夜空には、
潤んだ月
クチナシは、
その姿を見せずとも
香りで存在を知らせてきます
夜になると、
濃厚さを増す香りと
闇に浮かぶ白く妖艶な姿で
通りがかる人や、
夏の虫たちを誘うのです
尾崎も、
この香りに魅惑されたひとり
遠回りして、
このクチナシの道を通って帰ります
甘く重だるい香りは、
梅雨どきのしっとりとした夜の風情
子規の句の世界観
そのままの夜でした
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