幼少期
私は持病で入退院を繰り返していたのですが
小児病棟では
親が帰る時は
子供が寂しくて泣く声が
響いてきました。
私も寂しいし
泣けるなら泣きたいけど
親を困らせたらいけない
という気持ちが先行して
いつも良い子でバイバイしていました。
他の子みたいに
自分の気持ちを素直に発散できるのは
羨ましいなと思いつつ
甘えん坊にそっと蓋をしました。
「すみれちゃんは、
あんまり寂しくなさそうだね。」
とある、紳士様から別れ際に
こう言われた時
昔のことが
ぼんやり頭をよぎりました。
5月の頭に初めて
お会いした紳士様がいらっしゃいました。
その方は今まで風俗遊びで本指名した事が
無かったようですが、
初めてお会いした日から4日後に
また会いに来て下さったのです。
別れ際に、その方から
「ごめんね。
仕事の関係で、次はいつ会えるか分からないんだ。
でも、また会いに来るからね。」
と言うので、
私は次のように続けました。
「そうですか。
落ち着いたら、またお会いしたいです。
お忙しい中、ありがとうございました。
待ってますね。」
お勤めでお忙しい中
わざわざ時間を作って下さってるのです。
お仕事なんだから
ワガママを言って困らせてはいけない
と思うから、
そうですか。
と、しか言えなかった。
風俗で、初めての本指名が私。
本当の事だったら、
飛び上がるほど嬉しい。
また、お会いしたいけど
会いに来て頂く身だから
わきまえなければいけない。
紳士様には、
私がすごくアッサリとしているように
映ったので、出た言葉が。
「すみれちゃんは、
あんまり寂しくなさそうだね。」
寂しい時に寂しいと言う
会いたい人に会いたいと言う
甘え方が分からないまま成人したので
可愛げがないように見えるかもしれないです。
たまには
私も
次はいつ会えるの?
なんて
甘えてみても良いのでしょうか?
こちらの紳士様、
結局5月は毎週会いに来て下さり
後日談として
上記の
「すみれちゃんは、甘え下手」
というをお話をして下さったのです。
照れ屋さんの紳士様なりの
私にもっと甘えて良いよ
という暗喩と捉えて良かったのでしょうか?
6月も一緒に虹を見ましょうね