しまいには弱い男性であることが正当化され、弱者男性という言葉が(SM関係なく)一般に浸透してきました。
男性が強い姿であることを強いられることが無くなってきた証でしょうか。
一方女性のほうでも、いわゆる平成初期にあった「ぶりっ子」という言葉は消えつつあります。
自立した気の強い女性であることを咎める人はいなくなり、弱い女性を演じる必要が無くなったからでしょう。社会が少しずつ次の時代へと変容していくさまを肌で感じる今日この頃。
SM業界でも、M男性の増加にあわせて女王様やS女性も増え、責める側の女性を見ることも珍しく無くなりました。
それに比べ昔のマゾたちは苦労していたと聞きます。
雑誌の後ろのほうで気持ち程度に掲載されている情報を頼りにSMクラブを探し、やっと辿り着いたかと思うと、ライトめなプレイ(M性感寄り)を好むマゾにとって、自身の妄想と一致するプレイを受けられることは稀だったようです
今は女王様〜痴女〜痴女ヘルスのように細分化され、自身の受けたいプレイに合わせてある程度の情報収集することが安易になりました。
女性用風俗でも、M女性に合わせてソフトなSMが楽しめるようなM性感的要素を含んだ店も増えてきましたね。
このような社会性に沿った風潮があり、私の周りにも若くしてSデビューをする人が多くなってきました(特にS女性側)。
単に私が年齢を重ねていっているせいもあるとは思いますが、それを抜きにしても昔よりも若い世代のプレイヤーが非常に多くなってきた印象は確かにあります。
そんな中で、お金を稼げるから人を縛るとか、女の子とヤれるからという理由でS男性として女風に従事していたり、自身のもともと低い自己肯定感を補填するために女王様をやっているような若い女性をよく目にします。
私はこの点に非常に危機感を抱いています。
もし、女王様やご主人様になりたいだけなのであれば、仕事でSMに従事したり、SMパートナーを探すことはやめたほうがいいと考えています。
本気で仕事に向き合ったり、Mの人と実際に何度もプレイを重ねるようになると、自分がいかにブサイクで、狡く、弱く、相手を見下し束縛したいと思っているかを嫌でもいつか知ることになるからです。
そういう自分の醜い部分を自己受容させてくれたり、乗り越えさせてくれるのがマゾという存在だったりするのですが、生半可な向き合い方や、月並みの性欲や興奮、表面的な理由しか持ち合わせないSにMはついてきません。
私が折に触れて再三言っているように、SMはお金も時間もかかり、心身共々のリスクを内包しているとても面倒くさい趣味です。よほどやめられない衝動が自分の中にない限り、無理に続けようとしなくていいと思っています。
アダルトな情報に触れるのが容易なことになった今、SMは若い世代にも門戸が開かれています。
若いが故にプレイを行う上でS側に発生する責任問題や、感情の揺れ動きに対応しきれずに、本来であれば楽しむはずのSMがただ辛いものに変わっていってしまう人をよく目にします。
私より上の世代の人たちなんかは、周りの人にはバレてはいけないという緊張感のもと、それでもどうしても自分の性癖に居場所を作るために、SMの世界に残っているような人たちばかりです。
ある程度の普通の生活では解消できないようなどうしようもない自分の欲が原動力に無い人が、SMをする上で高い障壁にぶち当たると一瞬で心が折れてしまいます。
私は無限に湧き出る性欲と幼少期からの性への執着があったからこそ、ここまで突き進んでこられましたが、本来であれば趣味なんだから疲れたら気軽に一旦お休みしたり、距離を取ってもいいのではないでしょうか。
みんな変態たちって案外優しいから、いつでも戻ってこられます。
むしろ私たちのようなプレイをライフワークにしているような変態やSMプレイヤーは、そういうまた戻ってくる人たちのためにも長居しているのかもしれません。
生粋のマゾでも、結婚生活や子育てがある程度落ち着いてから帰ってくる人たちもいます。その間も、女性にいじめられる妄想でオナニーは欠かさずにしていたとか。
変態プレイやSMは、自分の湧き上がる欲に突き動かされる形が一番健全です。
昔よりもライトで痴女プレイも、思いっきり変態になっちゃうようなプレイも、M性感で楽しめるようになっているので、ぜひ挑戦してみてね。
離れていたあなたも、少しでもまた好奇心が出てきたなら、戻っておいで〜♡待ってるよ
