臨床心理士の講座で学んだこと。
たまに書く臨床心理士講座シリーズは、読んでくださってる方からたくさんの反響があります。
みなさんも私と同じように、目から鱗が落ちる感覚を覚えたり
共感できる内容が多いからだと思います。
ということで今回も、拙い文章ではありますが、講座で学んだことを書きます。
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今年の一月、地震がありました。
その際に書いたブログにて「今は①の急性ストレス障害の時期である」ということに触れました。
この①の時期というのは、だいたい皆同じような症状とのことですが
②PTSD
③うつ状態
の時期というのは「症状の出方に個性がある」らしいです。
まあ、そりゃそうですよね。
日常生活を送っていて、うつ状態の方々からお聞きする症状は、人によって色々なので。
では、今回の地震において
なぜそのような個性がでるかというと
それはズバリ「失った物が、みんなそれぞれ違うから」とのことでした。
ご家族や親戚を失った人
家を失った人
職を失った人
思い出を失った人etc....
以上がミックスしている場合もあります。
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私の友人(輪島で被災、家失くす)を見ていると、一見明るく、震災前とは変わらないように見えます。
最近はSNSで○○を買った、△△が欲しい♪のように言っており
○や△の部分は生活必需品というより、娯楽に近いものが入ります。
こういうことが言えるようになったのかと、一瞬ホッとした私でしたが
ふと講座で習ったことを思い出し、その認識を改めないとと思いました。
よくよく考えたら、彼女は家を失くしたのだと。
直接的な命の危険を感じ、その後仕事も満足にできず、今日明日の生活を憂う期間が大変長かった。
私とはおかれている環境が全く違うし、そんな中でのちょっとした○○や△△を求める気持ちは、私が思うよりずっと複雑であろうと。
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②、③というのは
「命の危機が去ってから1.5ヶ月以降に、徐々に出てくる」と言われているそうです。
命の危機が去ると一言でいっても
本震があって、その後の余震も何度もあって、半年経ったと思った6月にも大きな揺れがありましたよね。
1/1に関連した命の危機が去り(例えばそれが今年の3月だとして)、②③の時期を迎えたとしても、また①に戻ることもあるのです。
地震の揺れ以上に、心の揺れがあるでしょうね。
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「これは誰にでも言えることです。
経験はしていなくとも、報道を見ているだけの人にも発症する可能性があります。3.11でもそのケースがありました。
みなさん、被災者の方を
そして自分自身を労わってあげてください。
そのような時期(①②③)があって当然だと知ってください。
つらいときはつらいと言えた方が、予後が良いんです。
我慢すればするほど長引きますから、発散してください、それはワガママではありません。
とにかく、被災者の方や自分自身の気持ちを大切にしてください。」
と仰った先生の力強い言葉が
半年経っても、とても鮮明に残っています。
読んでくださってありがとうございました。