今までに何度も書きましたが、癌になった人(以下「彼女」)との思い出を書きます。
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彼女のお誕生日、4月。
お誕生日には毎年コスメを贈っていましたので
抗がん剤でぐったりしていたその時の彼女に選んだのは、アクセーヌというブランドのチークと、肌色補正がある日焼け止めでした。
アクセーヌは知る人ぞ知るというか、敏感肌向けのブランドなので、派手ではないんですけど
私自身が愛用していたこともあってそれを選んだのです。
私以外に、Sという子もコスメを贈っていたのですが、Sはイヴ・サンローランのリップを選んでいました。
彼女は、私のプレゼントにはありがとうと言ったけれども、あまり喜んでくれず
Sのリップにはえらく喜んでいました。
それからしばらくして、彼女は亡くなりました。
報せを聞いて、入院生活グッズを引き上げるタイミングにご一緒させていただいたのですが
アクセーヌは使われた形跡がなかったです。
その後、彼女を送り出す時にですね
彼女に施されたお化粧のリップには、S直々に、イヴ・サンローランのリップが塗られました。
私のアクセーヌも使ってよ!と思ったり、でも気持ちはそれどころではなかったり。
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アクセーヌを贈ったあとに知ったのですが
彼女は、ジバンシィが好きだったようでした。
私はあいにくそれを知らなかったけど、そりゃあ誕生日は、キラキラした気分が上がるコスメが欲しかったよねって。
じゃあ来年はジバンシィねって。
来年なんてものはこなかったんですけれども。
あの時期はね、ジバンシィではなかったにしても
クリニークのチークポップも流行ってたし
ゲランのメテオリットも流行ってたし
そうじゃなくたってキラキラと気持ちが上がるコスメはたくさんあったけれども
私は私なりに考えたつもりで、私の考えを彼女に押し付けるような贈り物をしてしまいました。
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今日のラーメン屋の女将を見て、彼女を思い出したので再び書いてみました。