九州で叔父と久々の再会をしました。
その時のエピソードをお話させていただきます。
叔父は寡黙で無口な九州男児、
そんな叔父に招かれて海沿いの物産店へお買い物に行きました。
田舎の淡々とした道。
叔父の愛車である古いワゴン車の助手席に座り、無言で淡々と道を走ります。
そして20年以上前からずっと使い続けているカーナビ(パイオニア製)。20年以上前の当時は、高機能高性能のパイオニアのカーナビだと言うことで、すごく価値が高かったのを覚えています。
よく叔父の車に乗り、従兄弟たちでカーナビだ、スゴイスゴイと盛り上がっていました。
とは言え、そのカーナビは20年前から地図がアップデートされていない、そして画質が古すぎる等で正確に道案内ができているのかが心配になり、
嫌な予感がしてカーナビの現在地を確認したところ…
『玄界灘のど真ん中』を走っておりました。
何のためにこのカーナビをつけているのだろう?
カーナビの存在自体を忘れているのか、はたまたパイオニア製だから捨てるのが惜しいのか…
それとも、
甥っ子や姪っ子がスゴイスゴイと喜んで盛り上がっていた思い出や余韻をいつまでも残していたかったのか…。
疑問が頭の片隅に残ったままとりあえず平静を装います。
そんなカーナビを傍に、叔父の横顔を見つめると、寡黙に運転をしていた叔父が口を開きました。
「今の日本はどんどん貧しくなってきよるけん、定年過ぎても働かんないけん。政治家も汚職や賄賂でアテにならん!とにかくもうこれ以上、日本が貧乏になるのは限界なだ!(玄界灘)」
と不意打ちのギャグを飛ばしてきました。
何はともあれ、叔父にはいつまでも元気でいてほしいですね。
槇村