写メ日記が書けない。
前は書けていたのに
結局写メ日記に求められているものは、エロい画像とエロい内容であることに気付いて絶望する。
そうゆうのをやると、実際会った時上手くないとがっかりされる気がしてなかなか書きづらい。
私は写メ日記を書くこともさっき食べたお昼ごはんの食器を洗うことも放棄して、クッションの上で外を眺めている飼い猫に近づき、仰向けになって他の女性の写メ日記を眺めた。
この子はGカップ、この子はアイドルみたいに顔が可愛い、この子はフェラが得意
はぁ〜
何にもない自分とそれがわかっているのに努力もできない自分に溜息が出る。
私はB子さんという女性の日記に目を留めた。
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私ってとっても敏感な女の子なの触られるとすぐイッちゃうからいつも恥ずかしいっ。お兄様と濃厚なチューするのもだ〜いすきだよ早くお兄様といっぱいエッチなことしたいなっ
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私は思わずその日記を二度見した。
何?!このお手本みたいな文は!
すごすぎる!!
この子はきっと普段からお客様のために一生懸命頑張る子なんだろうな
だから男性だけでなく同じ仕事をしている女性の目にも留まる文が書けたんだよ
私は、こんなの思い付かないし、
これを書くのもなんかそんな柄でもないし
「私、向いてないのかなぁ」
私は仰向けの体勢からごろんと横向きになって、猫にそう呟いた。
猫は短く「ニャッ」と鳴いた。
私は、そのお手本のような文を自分のスマホのメモ帳にコピペして、真似して書いてみることにした。
えーと、私ってとても敏感
いやー、どうなんだろ
出だしからつまづく。
すぐイッちゃうってことは特にないし
うーん
なかなか進まない。
私はクッションのふちにあごを乗せてこちらを見ている猫をジーッと見つめた。
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私は寂しがりやで甘えん坊なの。ずっとちゃんとしなきゃって思って生きてきたから甘え方もよくわかんない。でも本当は優しくされたいし、頭をなでられていい子いい子、可愛いねって言われたい。私からもスリスリして甘えたりしてみたいな。
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自分っぽく書けた気がした。でもこれは・・・
私は猫に聞かせるように書いた文を音読してみた。
そして、読み終わった後チラッと猫に視線を向けた。
猫は先程と同じようにクッションのふちにあごを乗せたまま、大きな瞳で私の方を見ていた。
私はなんとなく猫の瞳の奥に今まで猫が生きてきた足跡が写っているように感じた。
私はその文を一応保存した。でもきっと投稿はしないだろうと思った。
B子さんみたいに上手く書けないことに心が苦しくなった。
私やっぱ向いてないのかなぁ
思いながら、私は優しく猫の頭を撫でた。
猫は気持ちよさそうに
「ニャンッ」と鳴いた。
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7月の予定
7/21(日)10:00〜20:00
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