鳥を〆る事も、豚や牛を解体する事も
魚をおろす事も出来ない
火を起こす事も、水を濾過する事も
畑を耕す事も出来ない
家を建てる事だって
乗り物を作る事だって
何もできない
私は無力だ
一人で生きるということは
大変だと気づいた小学生の時に
その全てをやってみたいと思った
とても無邪気に
出来たら褒めて貰える気がして
やれば出来るような気がして
だけど家出したその日の夕方
リュックに入れた漫画本を
木の上で読みながら、
薄着で出た事を後悔した
もう家が恋しくて
お布団に潜り込んで寝たいと思った
他所の家からだろう
流れ出る夕飯の匂いを嗅ぐうちに
母の怒った顔が無性に恋しく
じわりと涙ぐんで走って帰った
何ひとつ知らないまま、おかえりと言う
母の背に抱きつきたい衝動を抑えて
ただいまと呟いた
リュックの中のお年玉袋を
どう元の場所に戻そうか考えながら
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