私は、その巨大オフィスビル内にある社内図書館で
司書をしていた。
司書とは、本の管理や整理などをする仕事だ。
昔から本が好きだった私には、
まるで天職みたいな仕事だった。
しかしそんな私、川瀬梨桜は、
密かに気になる人物が居た。
水沢秀一郎。
このビル内にある法律事務所の弁護士だ。
ビル内の顧問弁護士など
たくさんの弁護を導いた若手の敏腕弁護士。
資料が揃っているため
この図書館をよく利用をしてくれている。
クールで冷静沈着。
無口で、あまり会話をしたことがないが
とにかく凄くカッコいい。
まさにハイスペックの男性だった。
内気な私は、彼に上手く話しかけることも
出来ずに唯一この図書館で会えることが
楽しみだった。
だが今日は、バレンタインだ。
せめて彼にチョコを渡したい。
恐る恐る2階の資料室に行くと
彼は、調べものをしながらうたた寝をしていた。