しかしその後の日本は、戦後モノづくり大国へと進化を遂げました。
それは精神論を捨て、戦後に信じる対象を失った日本人のこころざしとなったのが「モノづくり大国」への羨望だったからであり、信じるモノを失った世代が、そこに可能性を見出したからモノづくり大国になれたのです。
けれども今の日本人は、自国が生み出す技術やサービスに誇りを持てているでしょうか?
今の世代は信じられるものを持ちませんが、「モノづくり大国」のようなこころざしも持ち合わせておらず、何にこころざしを向ければいいのか分からずに迷走している状態ではないでしょうか。
また、日本経済全体が正常に回っていないから国が使えるお金が足りずその分借金している財政です。
老後のために貯蓄しろという教育はしますが、何にお金を使うべきか、何に使うと満たされるのか、正しいお金の使い道は、といった事が教えられていません。
だからこそ詐欺にあったり、貯蓄するだけして使おうとしなかったり、流行りのものばかりに一極化して飛びついたりするのです。
誰も消費行動が似てしまう理由は、正しいお金の使い道を自分軸で決める方法を教えられて来なかったからです。
正しい資産運用方法は教育に導入されつつありますが、それだけでなく生活や人生の質を上げるためのお金の使い道というのを考える発想が必要です。
何でも需要に迎合した形でのサービスや商品ばかりで、消費者が求めるサービスで溢れかえってしまった世の中では、希望も持てず利己的に自分の幸福しか願えないのではないでしょうか。