「お前、スケベか?」
くっくと笑い、
タオルで拭きながら、
浴槽へ向かう。
少し熱めで蛇口を捻り
湯を貯め始めた。
部屋に戻り、
もう一度口の匂いを確認する。
スタローンの
映画にもあったように、
えてして男は
初めての女性とは
この様なものだ。
それから、体の匂いを嗅ぎ、
エルメスの匂いで
気分を落ち着かせた。
いよいよか。
風呂の蛇口を止め、
コンビニ袋から爽健美茶を
2本取りだす。
「ピンポン」
407号室の
チャイムが鳴った。
「きた」
心は張り裂けんばかり。
そそくさと玄関に行き、
ドアを開けた。