アリス、女教師編。
｢ちょっと、ちょっとお。｣
アリスは盤田に駆け寄った。
｢先生。こ、こいつわ。｣
盤田がオモチャを
拾おうとしたとき、
アリスは慌てて、
盤田を車から引っ張り出した。
｢ち、違うのよ。
これは私のじゃないんだから。｣
そういって慌てて
鞄に散乱した荷物を詰め込み、
ダッシュで帰宅した。
後ろを見ると
盤田が雨の中佇んでいた。
帰宅して、シャワーを浴び、
もう一度鞄を調べる。
｢あれ？無い。｣
そう、オモチャの箱は有るが
中身がないのだ。
｢ま。まさか。｣
この予感は
的中することとなる。
次の日も、朝から大雨で、
生徒は午前中に帰宅させた。
アリスは職員室で
仕事を片付けていた。
｢うーん、やっぱ
集中出来たらはかどるね。｣
うーん、と背伸びをした時、
｢山田先生。ちょっと、
いいかい？｣
職員室の入り口に
盤田用務員が立っていた。
｢は、はい。なんでしょう？｣
アリスは立ち上がり
盤田に近寄った。
｢先生に相談があってね。｣
｢相談ですか？｣
アリスは、連れられるままに
用務員室へ向かった。
ガラガラ。
用務員室のドアを開けると、
タバコのムッとする、匂い、
湿っぽい匂いが漂ってきた。
｢さ、其処に掛けて。｣
盤田は用務員室の
一段上がった
畳の間を勧めた。
｢は、はい。｣
｢あ、あの。私、時間が。。。｣
｢わかってます。わかってます。｣
盤田はそう言うと、
ゴソゴソと取りだし、
アリスの前の畳に置いた。
｢こ、これは。｣
サーっと寒気が走った。
其処には
例のオモチャが有った。。。。。