甘美な吐息が耳元で響くと、まるで時間が止まったかのように感じた。
息を飲み込む音さえも、体の奥にまで響いてくる。
視線が絡みつく。
彼の目が私の全てを見透かすように、どこまでも深く、どこまでも情熱的で、私はその視線を逃れることができなかった。
唇がほんの少し触れる瞬間、艶めかしい唇に甘い誘惑が込められているのが分かる。
その唇から伝わってくる熱に、体が震えた。
濃密な空気が二人の間に漂い、周りの世界が遠く感じられる。
私たちの間には、言葉で表せないような、強い引力がある。
彼の手が、誘惑の手のように私の肌を優しくなぞりながら、私の心を奪っていった。
瞬間ごとに、私は彼に溶けていくような感覚を覚えた。
まるで蜜のような甘さが、私の体に広がり、息をするたびにその甘さに浸っていくような気分だった。
火照る肌が、彼の手のひらに触れるたびに、さらに熱を帯びていく。
心臓が速くなり、ただ彼を求めているだけだった。
そして、ふと気がつくと、私たちはその瞬間の中に溶け込んでいた。どれだけ時間が経ったのかもわからない。
この瞬間が、永遠であればいいのにと、私は心から思った。
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なんとなく
妖艶さを表現してみました。
官能小説っていいですよね。
想像力が掻き立てられる。
今日もありがとうございました