つい言ってしまう言葉に要注意!
高齢化社会が進む今、認知症は避けて通れない社会問題となっています。高齢になると、身体面の健康だけでなく、精神面の健康も要注意です。
膝や腰が痛くなるなど、身体機能が低下することで情けなさを感じたり、仕事を退職し、社会における役割がなくなることで、自分自身の価値を見出しにくくなり、自尊心が傷つきやすい状態と言えます。 そんなときに子どもや孫との関わりがとても重要。私たちの声かけひとつで、親の精神面にいい影響を及ぼすことも、悪影響を及ぼすこともできるのです。すでに認知症症状のある人に、自尊心を傷つけるような言葉を投げかけると、症状が悪化するとも言われています。つまり、自尊心を傷つけるようワードは、NGなのです。
もしかしたらあなたが言っているかもしれない「親に言ってはいけないNGワード」と、その理由についてご説明します。
● 1. 「その話、前も聞いたよ」
「また同じ話してるよ!」――つい、親に言ってしまう言葉ですよね。まず高齢になると、印象に残ったことを繰り返し話してしまうことは、よくあります。「その話、前も聞いた」「何回、同じ話するの」と、つい言ってしまいがちなワードですが、言われた側は気持ちのいい言葉ではありません。傷ついた場合は、話しづらくなってしまいます。話をさえぎらず、まずは最後まで聞くこと。そのうえで、すでに聞いたことがあると伝える場合は、優しく伝えるようにしましょう。
● 2. 「もういいよ、自分でやるから」
自分がやったほうが早いと感じたら、無意識に言ってしまいますよね。ですが、「もういいよ、自分でやるから」と言われてしまうと、自分は役に立たない存在だと感じてしまいます。「ありがとう、自分でやってみるよ」と、少し言い方を変えると、言われた側の気持ちも大きく変わります。同じことを伝えるにしても、自尊心を傷つけない言い方を工夫しましょう。
● 3. 「もう歳だから仕方ないね」
私たち自身も、つい言ってしまう言葉かもしれません。ただ、年齢を理由にして、仕方ないと思わせる言葉を言われると、親にとって非常に傷つく場合があります。「歳だから……」と、どんどん諦めてしまうと、活動しようとする気持ちが低下し、認知症予防にもっともよくない、活動が減って脳を使わない状態にも繋がりやすいのです。「こうしたらいいんじゃない?」「今はこういう便利なものもあるよ」など、年齢を前向きに受け入れられるような関わりを意識しましょう。