~木の削りクズに由来する言葉~
「気がおけない人」という言葉は、近年は誤用されることが少なくない。
「気がおけない人」とは、正しくは遠慮や緊張がいらず気づまりでない人、気さくな人という意味。
「油断できない人」といった意味で使うのは間違いだ。
気がおけない人と、気さくなつき合いをするのは楽しいものだが、この「気さく」という言葉は、古語の「さくい」に由来する。
物を削ることを「削」というが、木を削ると、削りかすの木屑が残る。
そしてその木屑はフワフワとして、非常に軽いものである。
そこから、「さく」という言葉に「軽い」という意味が生まれ、やがて「気さく」は「気軽く」という意味で使われるようになったのだ。