ー昔は『愛する』という意味もあったー
「すさむ」という言葉には、漢字では「荒む」「進む」「遊む」と三通りの書き方がある。
となると、語源もいろいろあるのではと思えてくるが、もともとは、いずれも「すさぶ」という言葉から転じたもののようだ。
「すさぶ」とは、荒れてひどくなるという意味の和語。
心の形容に使う場合は、心が荒れた肌のようにかさかさになった状態を意味する。
もっとも、昔は「すさぶ」には別の意味があった。
はなはだしくなる、慰みにする、心にとめて愛するといった意味である。
いまのように悪い意味ばかりではなかったわけだ。
古文の試験などで問題に出されたとき、意味がさまざまあって、即座に解答しにくい言葉の一つといえる。