風俗の日記に書く内容では決してないのだろうけど、せっかくなので先日日記に上げた、おにぃさんに貸していただいた文庫本「ふがいない僕は空を見た」の感想を連連と書いていこうかなと思います。風俗嬢らしからぬ感想になりそうなので、閲覧非推奨です!笑
いや本当にこれ大丈夫か…?
非常に読みやすい構成でした。一つの事象を軸に、主人公の周りの人間のそれぞれの視点から描かれる物語が短編集のように続いていきます。ミステリ小説好きの方には馴染みのある構成なのではないかなと思います。どろどろとした生々しい性の描写と、主人公の母親が営む助産院での出産の描写が地続きの対比のように感じました。
生まれた環境や、性格、性癖。人間誰しもが厄介なものを抱えて生きていて、作中でも性というものをやっかいなもの、と表現する文がいくつか見受けられます。
私も自分の中にある性をおぞましく感じることがあって、女としての性を感じることに嫌悪することがあるんです。だからこそこの業界に足を踏み入れたのかもしれません。この厄介なものを金に換えるといった一種の反抗心のようなものを抱え、仕事だからと自分の性を正当化できることに甘えていたり、自分の性を喜んでくれる人がいることに私自身も悦びを感じていたりするのです。
きっとこれを読んでくれているおにぃさんの中にもこの厄介なものに振り回されている人がいるかもしれません。人には言えない、自ら望んだわけではないのに知らずのうちに自覚した癖をどうにか昇華させようと風俗の扉を叩く人もきっといるのだろうと思います。
私はそんな貴方を愛おしく思います。愛おしくてたまりません。すべてを受け入れたいとすら思います。お互い大変だね、と言葉にはせずとも心の奥底で繋がっていたい。これが好きなんだ、そうされるの好き、など言って浸ってくれることがすごく嬉しい。
私の厄介はきっと、この全てを受け入れたい感情を誰にでも向けてしまうことなのかもしれません。
作中に「団地」がでてくるのですが、すべての人間の中に団地は存在していて、そこから抜け出す必要があるかもしれません。厄介なものを捨てて抜け出せればいいのですが、そう簡単には捨てられないからこそ厄介なのです。私にとっての団地はきっとこの業界で、いつまでもここに浸っていられるわけではありません。いつかは自力で抜け出さなければならない時が来るのだと思います。でも今はまだそんな気持ちには到底なれません。この業界が好きだから。
と、いうようなことを読みながら考えていました。かえでは言葉があまり達者ではないのでうまくかけているかはわかりませんが、もし気になったおにぃさんがいらっしゃればぜひ読んでみてください! 映画化もされているそうなので活字はちょっと…というおにぃさんは映画も良いかもしれませんね!