ずいぶん若い青年だと思った。
芦屋の自宅は1人で住むには広すぎるほど広い。
庭はきれいに手入れされて、
芝生に手作りの人工池が常に水流を得て、その中の魚たちが元気だった。
なんてこまめな方なんだろう。
その頃、私も自宅マンションの庭に
芝生を敷き根付かせている最中
桜を植えた頃だ。
彼は、その上をはるかに超えた
庭造りを仕上げていた。
いや、まだその途上だと言う。
何かをやり遂げる集中力
彼はそんな人だった。

そして、お料理の腕が恐ろしく
上手かった!
すごいレシピのノートが数冊
え?貴方は何をしているの?
・・・料理人。
その頃は、まだ次の職場が
有名なホテルであること、
1からホールの修行をする・・
そんな話を度々した。
あれから7年も経った今、
この春に梅田の一等地にお店がオープンする。
彼のお店、高級料理店だ。
今、その準備に忙しい中、
会いに来てくれた。

最近、彼の横顔は鋭くなった
白いものが混じりだした髪。
男らしく、少し近よりがたい。
彼のアナザストーリーを垣間見ながら
あの日、あの時、
誰と出会って、何を考えたのか
長い付き合いが出来て初めて分かる
貴方のこと。
まだまだ、発展途上だね。
頑張って👍