釘のなぞが知りたくて
私は父の書斎を調べた。
この部屋に入るのは少し怖かった。
父がいない事実を
突きつけられそうだったから。
でも私は向き合わなくてはいけない。
そう思った。
父の部屋に入ると
古い本のかび臭い匂いと
父が好んだタバコの香りがした。
私はゆっくりと引き出しに手をかけた。
引き出しの中は
たくさんの資料がぎっしり詰まっていた。
その文献の言語はさまざまだ。
初めて見るような文字もある。
一番上の薄い引き出しを開けたとたん
胸が詰まった。
幼い私の写真がそこにあった。
どこかの遊園地で
若い父と二人で写っている。
私は大きな石の付いたネックレスをしている。
そのアクセサリーに
かすかな記憶の切り端が蘇った。
父のアフリカ土産だった。
滅多にお土産など買わない人だったから
よく覚えている。
私は嬉しくてどこに行くにも
そのネックレスをして行った。
ふいに涙が込み上げてきた。
「お父さんどこにいるの」
と声に出してみた。
私は父の書斎を調べた。
この部屋に入るのは少し怖かった。
父がいない事実を
突きつけられそうだったから。
でも私は向き合わなくてはいけない。
そう思った。
父の部屋に入ると
古い本のかび臭い匂いと
父が好んだタバコの香りがした。
私はゆっくりと引き出しに手をかけた。
引き出しの中は
たくさんの資料がぎっしり詰まっていた。
その文献の言語はさまざまだ。
初めて見るような文字もある。
一番上の薄い引き出しを開けたとたん
胸が詰まった。
幼い私の写真がそこにあった。
どこかの遊園地で
若い父と二人で写っている。
私は大きな石の付いたネックレスをしている。
そのアクセサリーに
かすかな記憶の切り端が蘇った。
父のアフリカ土産だった。
滅多にお土産など買わない人だったから
よく覚えている。
私は嬉しくてどこに行くにも
そのネックレスをして行った。
ふいに涙が込み上げてきた。
「お父さんどこにいるの」
と声に出してみた。