「秋映」
と言う、リンゴが出回ると
想い出す光景があります
それは
ある秋の始まりの事
小さな男の子だったんです
混雑したスーパーの野菜売り場から
「ウァーン。ウワーーーーン。」
と全力で泣きながら歩いてました
マスクをものともしない声
ギュッと作られた小さな握り拳が、声以上に意志を持って
「誰か助けてよ」
と伝えているように見えました
あらら
まあ
と、大人達はモーゼの海割りのように彼に道を開けてました
そして、その道はなんと
私にに辿り着いたようです
泣いていた彼の目が
そろそろと薄く開き、私を捕らえました
これはまさにロックオン
私のカートを横にやり
「迷子になっちゃったの？」
と屈んで話しかけてみました
すると、彼はピタッと泣き止みコクリと頷きました
なんて可愛いんでしょう
可愛いすぎる
まるで天使のよう
「おばちゃんと一緒にお店の人の所に行こうか？」
彼は、大きく頷き
手を差し出すと、素直に手を、繋いでくれて何かホッとしました
賑わうスーパーでそんな出会いがありました
小さな迷子ちゃんとの
ものの数分の出来事でした
ガヤガヤとした店内で
まるで私とその子だけ、スッポリと丸い空気に包まれてるような・・・
あるいは
撮影隊に囲まれて、スポットライトを当てられ
カメラのレンズを向けられているような・・・
非日常感に切り取られた
その光景は、私の中に、物凄い印象深く残りました
(なんのこっちゃ)
このエピソードから、数年経ちますが、秋映見ると
何故か奥深い思い出となりました
りんごは勿論秋映ね♪
(なんのこっちゃ)