ドビュッシーの{雪は踊っている}
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16分音符の細かい音型は、まさに雪が降り続いているよう。
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1952年、潜水艇くろしおに乗り込み、海中調査を行っていた、北海道大学の井上直一さんと鈴木昇さんは、深海で雪を見たそうです。
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生物遺体、生物の破片、植物プランクトン、微生物の死骸、海洋生物の排泄物、その他様々な有機物由来の粒子で構成された浮遊物がライトに照らし出された時、有光層から無光層に沈降する様子は、まるで雪が降っているように感じられたことから、彼らはそれを「マリン・スノー(海の雪)」と名付け、和文・英文共にこの言葉を論文で用いてから、世界中で使用されるようになりました。
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一年中降り続ける、海中の雪。
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世界で初めて人工雪を作った、同大学の物理学者・中谷宇吉郎は【雪は天からの手紙である】という、とても素敵な言葉を残しました。
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〈静かに降る雪を、窓辺で飽きることなく透き通る目でじっと眺める子供達。ゆっくりと楽しそうに舞いながら降りてきた雪の妖精が、地表を白いビロードで覆う様を表現した、トッカータ〉
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冒頭の{雪は踊っている}は、イギリスの妖精を題材とした、アーサー・ラッカムのイラストから着想を得て作曲されたそうです。
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今年はまだ秋の風物詩である富士山の初冠雪のニュースを耳にしていませんが、いつか、自分が幼い頃から見続けた故郷の雪だけでなく、夏の海に降る雪にも心を奪われてみたいです。
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今月の出勤は31日(木)までのため、残り8日間、お日付変わり、本日も10時より(16時30分受付終了)皆様よろしくお願いいたします。
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