部屋に入った瞬間、
「カチッ」って音が響いて
ふたりだけの世界が、完成したの。
ホテルの小さなベッド、
柔らかい照明、
あなたの視線、わたしの吐息
全部が淫らに混ざり合って、
もう戻れないところまで来てる。
ねぇ、服なんてもういらないでしょ?
だって、ここにいる意味って
わたしを、欲しがるためでしょ?
あなたの指が這った場所が、
どんどん熱くなって、
わたし、もう自分の声すら抑えられないの。
「声、我慢しなくていいよ」
って囁かれた瞬間、
わたしの中のスイッチ、全部壊れちゃった。
押し倒されて、
背中がシーツに擦れて、
あなたの熱が身体いっぱいに伝わってきて
ねぇ
ここ、外の世界じゃないの。
ふたりきりっていう名の密室。
欲望が許される、特別な時間なのよ?
だから、我慢しないで
たくさん口付けを交わして、何度も確かめて。
わたしがどれだけ、あなたを待ってたか。
シャツのボタンを一つずつ外しながら、
わざとゆっくり、肌を見せつけるように近づいていくの。
膝の上にまたがって、唇が触れるか触れないかの距離で
「そんな顔して、どうしたの?」
わたしの指が、あなたの首筋から胸へと這うたびに、
ビクッと震えるのが可愛くて、たまらない。
「ほら我慢してるの、バレバレよ?」
耳元で囁いて、わざと吐息をかけて、
ぴったり重なったわたしの腰が、あなたを刺激する。
でも
「まだ触っちゃダメ」
「イかせてあげるなんて、言ってないでしょ?」
わざといじわるしちゃうの。
ドアを開けるまでは、あなたはずっとしおりのもの。
きょう、明日、明後日ーーーーーー
襲って、襲われに来てね?
しおり