君が一つ願えば月が影を落とした
魔法みたいな夜はきっと解けてしまう
声は透き通るよう風が夜を知らせた
蒼い世界の全てがおとぎの中に眠る
君は微睡みの中閉じた瞼を開いた
僕が思うよりもずっと霞んでしまうな
この声が届くなら
答えなどないそれでも居たいな物語を終わらせたくはないさ
この夜を越えてゆけ
あなたとなら言葉はいらないさ
だから 今は温もりを確かめあいたくて
どうか覚めない夢をみさせてよ
その手を僕等は離さずに
そっと願う
憂凪を想えば 綾なす蒼の空
一雫れた涙も掬えやしなくて
君と居た時間も君と見た景色も
幻のように溶かして溶かしてしまう
舟を漕ぐように 揺蕩う心に
街は花明かり影に忘れ咲き
夜明け前の風に吹かれて今だけはただこうしていたいから